2009年11月12日木曜日

いじる必要のないものをいじった結果

日経新聞 11月10日 朝刊 三面
「大衆薬販売伸びず」

大衆薬の店頭販売を「登録販売者」などが扱える様に緩和し、予防による医療費の削減を狙った改正薬事法で思った様な結果が得られていない。規制緩和が進んだカテゴリーでは新規参入が相次ぐが市場の拡大には至っていない。むしろ規制が強まった第1類は販売時の手間が敬遠され需要が萎む結果となった。

そもそも、買い手を増やして市場を拡大させ、予防させる為には、従来薬局やドラッグストアが出店していない地域での販売を容易にする事が必要になる。今回の改正で参入をよんだのはスーパーやコンビニなど既に薬局もドラッグストアもある場所に更なる出店を呼んだだけで、市場を広げるほどのインパクトはない。従来の薬事法では通信販売などの流通チャネルもあったが、それが閉ざされた為にむしろ基礎的なチャネル条件は弱まったと見た方が良い。

今回の規制強化で得をした人は実は一人もいない。ドラッグストアは競争環境が激化し、スーパーなどは多角化による損害が今後予想される。消費者は通信販売などの手段が閉ざされ、製薬会社は売り上げを落とした。医薬品のネット通販会社は破綻寸前だ。仮に、満足している人がいるとするならば、机上の空論を実施出来た厚労省の担当者だけだろう。

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