2007年3月28日水曜日

タミフルによる異常行動が日本でだけ問題になるわけ

今日、懇意にしている薬剤師さんと話をしていると彼が何故タミフルによる異常行動が日本で話題になるのか説明してくれた。

まず、タミフルをインフルエンザ特効薬としてこれほど簡単に投与するのは日本だけらしい。読売新聞によると、([解説]タミフル服用後に死亡例

 輸入販売元の中外製薬によると、日本のタミフルの使用量は世界で最も多い。新型インフルエンザの懸念から、海外での使用量も増えたため、現在の使用量は世界の3割程度にまで下がったが、インフルエンザが流行した2003年1月~3月にかけては、世界の使用量の約7割を占めた時期もあった。

という。薬剤師さんの話では「欧米ではインフルエンザは寝て治すもの。薬で治そうとするのは日本くらい」ということだ。免疫力の弱い幼児と高齢者にはタミフルを処方することはあっても、それ以外ではタミフルは不要で寝て治すべきだというのが薬剤師としての見解だと言い切っていた。

インフルエンザは死と直結する病とは呼べない。もちろん、スペインかぜの様に大流行すると大きな被害が懸念される。しかし、スペインかぜは当時の時代背景(第一次世界大戦による経済的、社会的混乱により、抵抗力の衰えた人々が多く居たということ、戦争によって人口の移動が大規模に発生していたこと)を考え合わせないといけないと思う。その当時と、衛生状態も社会環境も違う現代でそれほどインフルエンザに深刻になることはない。

インフルエンザ(Wikipedia)

しかし、日本人は簡単に特効薬を要求する。

病人が家庭にいるという状態は負担が大きいと考えるのだろう。だが、インフルエンザの特効薬は危険が大きい。寝て治るならば使わないほうがいいものだ。病院では職員がインフルエンザに罹ったら一週間勤務停止されるということだ。大手企業でも勤務に及ばずと言われるそうだ。

つまり、十分休養することが最良なのだ。欧米で問題にならなかったのに日本で問題になる理由は「日本人の特効薬好き」に原因がありそうだ。病院に気軽にかかれるというのも原因だろう。冬になると病院はさながら戦場の様だ。ちょっと咳き込んだくらいで皆病院に行く。医師は多くの患者を捌くため、更には患者からの要求によって「特効薬」を処方する。患者を看護する家族も「特効薬」の方が手間がかからないと思って気軽にそれを受け入れる。これがタミフルが日本で問題になる理由なのだと思った。

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