2007年6月4日月曜日

年金納付記録問題

年金の納付記録が喪失している問題で国会はもちろんメディアも騒々しい。「納付記録を喪失した年金保険機構はけしからん」のは当然として、問題解決の糸口を真剣に議論しているのか甚だ疑問だ。この問題は三つに分けられる。「当座対応」「恒久対策」「責任」だろう。

当座の対策は喫緊のものから速やかに納付記録を確認することだ。そのための予算措置を直ぐにすることだ。作業範囲を決めて補正予算を組んで執行する必要がある。予算は無限ではないから他の当初予算を停止する必要もあるかもしれない。確認の範囲が大きければ大きい程他の予算に影響が出る。しかし、決断をして前進しなければいけない。公共工事関連は真っ先に槍玉に上がるかもしれないが、地方の経済振興と密接につながっているので参院選を控えたこの時期に与野党ともムチャなことは言えない。グズグズせずに強行突破するという手に出る理由は良く分かる。

恒久対策はシステムの統一だ。一人に一つのIDであらゆる公共サービスを受けられる様にすることだ。国民の移動が少なかった時代であればまだしも、今は毎年の様に大量の人口が移動する。移動の単位も家族ではなく個人だ。それを移動のたびに一々膨大なコストをかけて確認するのは無理だろう。メディアで民間だったらこんな事があれば持ち出しで確認すると言っているが、民間は契約番号の他に一人に一つずつIDを振っている。だから確認にかかるコストは抑えられる。今回の件を機に民間並みにIDを一つにすればいい。

責任を問うことは重要だ。そこにシステムとして不備が見逃される状態があったはずだから、それを追求して欲しい。それは官庁の人事制度にあるのか、意思決定システムにあるのか今は分からない。だが、キチンとどこに責任があるかハッキリさせて欲しい。決して歴代長官に責任をかぶせて終わりにして欲しくない。

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