2007年8月17日金曜日

11年前から偽装の恋人…賞味期限改ざん社長一転「知っていました」

11年前から偽装の恋人…賞味期限改ざん社長一転「知っていました」

非常に残念な話だ。

この話は発覚した当初から恐らく経営トップが関与しているのだろうと思っていたので驚きはない。しかし、残念な話だ。最終的に菓子類から細菌が発見され問題化したのだが、その経緯について考察してみた。

期限の設定方法について同社は「6か月でも品質は変わらないが、堅く4か月と見積もった」と説明している。偽装していたのは出荷する商品の2、3割程度。7、8月の繁忙期に備え、急な注文に対応できるように在庫を増やしておくためだったという。

情報を整理すると、
1)「白い恋人」の品質保証期限は6ヶ月
2)社内基準では安全性を高めるために「4ヶ月」に設定
3)7・8月の繁忙期は工場の生産能力を超える需要がある
4)繁忙期の前に通常4ヶ月の期限を6ヶ月に変えて生産
ということだ。

在庫を積んでおいて、在庫切れによる販売機会ロスを避けたかったのだろう。消費者にとって、「北海道のお土産」=「白い恋人」なので、販売量は観光客の人 数に合わせて変動してしまう。しかし、工場のラインをピークに合わせるわけにもいかないので、ピークの時のために事前に生産して在庫しておいたということ だ。

需要を見込んで事前に生産して在庫すること自体は悪くない。むしろ、北海道に旅行に来て「白い恋人」をお土産に持って帰れなくてがっかりする観光客のこと を考えれば、消費者重視の行動だと思う。しかし、この時に「社内基準を犯して期限を延ばす」ということを経営トップ自らの承認の元に行ったことが問題なの だろう。経営トップが自ら社内の規則を破ってしまっては社会倫理を徹底させることは出来ない。例えば、工場や倉庫の5Sだって守られなくなるだろう。

そのことは商品の品質にモロに影響する。細菌が見つかったのは、ここ最近の暑さのせいもあるかもしれないが、箍の緩んだ生産現場の品質管理に問題があった のではないだろうか?同様のことは同じ北海道が創業の「雪印」でもおきていた。経営トップが範をたれ、社内の規律を守ることが如何に重要なのか?というこ とを思い知らされる事件となった。

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