2008年4月17日木曜日

TCI株買い増し中止勧告は是か非か

Jパワーに対するTCIの株買い増しに政府が中止勧告を出した。TCIは日本株式市場に対する外国人投資家の失望が広がるだろうと不満を漏らす。経産相は「外資はウェルカム」と今回の件と外資流入を分ける考え。
TCIを拒否する理由は長期的な投資を必要とするインフラ産業である電力会社に短期の利回りを求めるファンドは障害になるというものだ。だが、それならインフラ産業が株式市場で資金調達すること自体を規制するべきだろう。株式市場では短期から長期まで、高い利回りから低い利回りまで様々な思惑を持った資金が流入する。それらが互いに調整しあって効率的な資金調達や投資環境を形成する。つまり、株式市場での資金調達を決断した時から会社のコントロールの一部は明け渡すことになる訳だ。リスクはあるが大きな資金調達が出来る。
政府がいう様にインフラ産業が長期的投資による小さく確実な利回りを求めるものだとするなら、そのような産業は市場で資金調達をするのではなく間接金融による資金調達をするべきだ。それが金融機関に出来ないというなら、一定の保証を政府がするべきだろう。
TCIがJパワーに関心を持つ理由は分かる。原子力発電事業は世界的にも増加していて、日本は世界で原子力発電が下火になってからも継続的な技術集積が行われていた。Jパワーが成功すれば他国に対する格好のモデルとなり、本業の電力事業以上の成果が期待出来る。TCIからすれば美味しいところを独り占めされているように思うことだろう。

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