2009年3月29日日曜日

高速道路 1000円の効果

土日の高速道路料金が1000円で乗り放題という景気刺激策。地方では交通量が増えて景気を刺激したと政府は胸を張る。しかし、都心に向かうほど交通量は増えていない。
購買力が大きい都会生活者が地方で消費しないと経済効果は限定的だ。そもそも、土日に高速道路料金を下げるというところに政府のセンスのなさがうかがえる。料金を下げるなら、平日こそ下げるべきだ。
観光施設というのは「装置産業」であるため、利用者が多かろうが少なかろうがコストがかかる。観光客が少ないからといって店を閉めれば、観光地としては見劣りがし、活力が失われる。だから、観光産業は客の波が大きいほど利益を出せない。
観光地はただでさえ土日に客が集中して効率が悪い。今回の高速道路料金値下げはそれを更に大きくするので、売り上げは伸びるだろうが利益は伸びない。
なぜなら、土日の観光客対応のために雇用を増やさないといけないからだ。土日だと労務費の単価は上がる。それに、土日だけ働く人は少ないから平日の人も増えてしまう。そのため今回の値下げで観光地が本当に潤うかは不明だ。
逆に、平日の値下げをすれば、平日の観光客が増えて観光地の利益は大きくなる。平日は客に対して人が多いから、ある程度までは客が増えても働く人は増えない。だから、平日の売り上げが伸びれば、それは利益に直結する。
政府は「雇用が増えなければ景気対策にならない」というかもしれない。だが、観光産業の利益が増えれば、施設の改修や更新などの設備投資が増える。その投資は他の産業での雇用を増やし、より大きな景気刺激となるだろう。

本当に、官僚や政治家はセンスがない。

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