2009年8月24日月曜日

高速道路料金値下げ&無料化に対する評価

「高速1000円に恨み節続出:日経ビジネスオンライン」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090820/203003/

自家用車を持たない身としては、全く恩恵も何も受けることのない高速道路の土日1000円。この政策については過去にも何回か投稿しているが、「センスのない政策」というのが僕の評価である。

この記事では実際に政策が実行された影響をピックアップしている。

「このままではフェリー会社の経営が危ぶまれる」

そりゃそうだろう。定額1000円に対してフェリーは航行距離に価格が比例しているのだから太刀打ちのしようがない。大量の人と車を運ぶことの出来るフェリーは非常に「エコ」な交通手段であるのに、時代と逆行していること甚だしい。

「本当に景気対策なら平日の貨物を運ぶ車こそ割引すべきなのに」(JRグループ首脳)

これは全うな意見だ。貨物自動車の通行料金が割り引かれないことで、輸送料金が下がらないと企業は運ぶ量を減らそうとする。運ぶ量が減るということは作る量も減るということだ。

「高速を下げるなら、世界の水準と比べて割高な空港への着陸料なども引き下げてほしい」(航空会社幹部)

空港着陸料が割高なのは土地収用とも関係がある。また、空港が多すぎて資本が必要なところに集積されなかったというのも大きい。交通行政とは関係なく、この批判は当たらない。

土日祝日だけの割引は、特定の日に利用客が集中してしまうリスクもある。「利用者が多すぎれば、サービスの質も低下しかねないし、行きたくても行けないという人も出てくる。平日を安くしてくれた方が、さらに需要が伸びると思うのだが」(星野リゾート)

これは以前にも投稿したことと同じだ。偏りが発生することによってリスクが増したり効率が下がったりする。タダでさえ観光客の多い土日祝日に高速道路料金を下げると人が集中してしまう。混雑が予想されるところには行かないという人は一定以上いて、そういう人は高速道路料金が下がろうと何しようと土日祝日の観光地には行かない。しかし、平日の料金が下がればそういう人も出かけようとするわけだ。観光地でも忙しさが一定になれば人員配置も安定するし、売上も安定する。このことに思い至らないようでは官僚も政治家も底が知れているというものだ。

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