2010年6月24日木曜日

鳩山首相の失敗は安倍首相、麻生首相の失敗と同じ

鳩山政権が短命に終わったのは必然であった。小泉政権が「経済成長」という実利を追求したのに対して、それに続く安倍政権は「美しい日本」という保守イデオロギーを声高に主張した。小泉政権の「規制緩和経済成長路線」を郵政民営化反対議員を復党させることで曖昧にした。そのために他で良い政策を行っていても全体的に反動に見えてしまった。

安倍首相の人気の理由は若さに代表される既得権益との対決であった。それが元来の保守思想の表明によって、どちらかと言えばソフトな保守である無党派が鼻白らんで離れていったのだ。麻生首相も同じだ。

民主党が連続して国政選挙で大勝した理由は選挙中は少なくともイデオロギーが見えなかったからだ。それが鳩山首相が「友愛」イデオロギーを持ち出したことでソフトな保守の無党派が距離を置いた。鳩山首相の最大の勘違いは普天間基地が有権者の関心事だと思ったことだ。

誤解を怖れずに言えば普天間基地は多くの有権者にとって関心の外だ。日米安保賛成しているわけじゃなくとも日米関係が悪化することで日本が不安定になることには反対する。「最低でも県外」は日米関係をはじめとする外交の安定があってこそで、それが出来るならやれば良いんじゃないという程度の感心だった。それがフワフワした友愛イデオロギーと沖縄基地問題で元気になる社会党のサヨクイデオロギーのダブルパンチで有権者は嫌気がさしたのだ。

結局、政界や「論壇」が乗り越えていないイデオロギーの枠を有権者はとっくに乗り越えているのだ。

小泉首相に有権者があれほど熱狂した理由は彼がイデオロギーではなく「郵政民営化」をはじめとする規制緩和改革という政策だけで勝負したからだ。残念なことに自民党や彼の後継者は彼の靖国参拝や帰国した拉致被害者を北朝鮮に行かせなかった保守的な行動が支持されたと勘違いして安倍首相は「美しい国、日本」とぶちあげてしまった。鳩山首相も一緒だ。有権者は「脱官僚」に期待して鳩山民主党を応援した。

菅首相はその轍を踏まないだろうか?

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