2007年7月24日火曜日

農地集約へ税制見直し

日経新聞 7月24日 朝刊 一面
「農地集約へ税制見直し」

改めて考えると農家に対する税制優遇は不公平感を否めない。相続税が条件付ながら減免されると他の真面目に税金を納めている人は馬鹿らしくなって来るだろう。都市生活者は三代続けば土地を失う。相続税を払う為に切り売りせざるを得ないからだ。それを避ける為には立派な木造家屋を取り壊してマンションを建てて運用しないといけない。
都市生活者にはそれだけの努力を強いておいて、農家だけ優遇するというのは不公平の謗りを免れまい。これまで行政は農地を相続した人が農業を続けるインセンティブとして税制優遇などの措置をとってきた。しかし、実際には農業を放棄する人は減らない。農家の跡取りが農業に関心があるとは限らない。それでも、経済的メリットがあれば農業を続けると考えての優遇なのだろうが、自分のやりたいことを投げ打ってまで家業を継ごうとする人はいない。
職業の選択肢が少ない時代ならまだしも、今の時代にそんな犠牲を払う人は少ないだろう。農地における生産は継続に意味があるから、農業を継続する意志のないものは退場してもらうしかない。事業用地の売却益に税金がかからないわけはないのだから、税金はとるべきだし、用地の売買も税金に対するプレミアムが加えられるべきだろう。農地の価格はそこから期待される収益に依存するわけだから、痩せた土地は安いし肥えた土地は高い。
長い間農業放棄をしていた土地は安いし、ギリギリまで生産していれば豊かだろう。それを隣と同じ値段で売ることは出来ない。それは自由な経済原理に反する。
もちろん、不当に安く買いたたかれたり、転売目的で買い占められるのは避けないといけないだろうが、利用目的を限定した上で取り引きを自由に保証した方がいい。
小作人保護の社会主義特権階級制度から脱却するべきだろう。

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