2008年5月1日木曜日

乳業各社に受難

家庭用バターの品薄が始まっているらしい。スーパーなどでもバターを置いていないところが出てきている。

日経新聞 5月1日朝刊 十面 「バター品薄、国が増産要請」によると複数の要因が重なっているということだ。
大きく四つの要因が書かれているが、生乳減産が最大のものだと思う。2006年に生産過剰を理由に生乳の廃棄や乳牛の処分をしたらしい。生乳廃棄はまだしも(もったいない話だが)乳牛を処分したために急な増産に応じれなくなったというものだという。
酪農家が急に増えたとは思えないので、生産過剰は需要が減ったということだろう。酪農家(ホクレン)は単純に廃棄や乳牛処分に踏み切った。しかし、市況が厳しいのは乳業各社も同じ。そこで、乳業各社は人気が出てきた付加価値の高いチーズ増産を決めて工場増設や生乳調達に動いた。単に減産という選択をしたホクレンと全く違う方針だ。
チーズという新しい需要開拓、海外需要の増加など外部環境の変化に合わせて動いた乳業各社が、努力することなく廃棄や処分を決めた酪農団体のしわ寄せを受ける結果となった。
ユニーとイズミヤが地方スーパーと連携してメーカーへの交渉力を高めるなか、乳業各社にとっては受難がしばらく続きそうだ。

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