2009年8月20日木曜日

脱官僚を超えて

たけしのTVタックルで出演者が「戦後復興期には大きかった官僚の役割が経済発展と共に相対的に小さくなった」と言っていた。「官僚」を「政府」と言った方が正しく、20年前に生活の中心から政治は追い出されてしまったのだ。先進国に追いつくために強力な権力による「開発」が必要な時期が戦後の四半世紀だった。だが、大多数の国民が豊かになった昭和40年代には政府の役割は一段落したのだ。

「開発時代」に必要なのは政府のリーダーシップである。政府が正しいことや必要なことを決める時代であった。その後、日本は「発展時代」に移行する。正しいことは競争の中で自然に決まる時代になった。

そういう時代に遅れてきた「開発型政治家」田中角栄が登場したのだと思う。強力な政府を残したかった政界と行政の役割を縮小させたくなかった官僚の利害が田中角栄という"英雄"の中で結実したのだ。いや、決して"生き残ろう"などと思ってはなかっただろう。まだまだ、政治が行政がやらなければいけないことがあると信じていたことだろう。

時代に合わないものが足掻いても普通なら淘汰されておしまいだが、政治や行政はなまじ力があったが為に生き残ったのだ。新しい政治の姿、行政の姿が今回の選挙で見えて来るだろうか。

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