2007年3月8日木曜日

新団体・・・

上祐前代表派、脱会は65人 新団体は5月初め予定

宗教が発展し、普遍的な宗教や強力な教団が出来るためには三つの条件があると思う。それは弾圧、世俗化、カリスマである。

オウム教団とその系譜に繋がる教団は今後も公安当局の監視を受け続けるだろう。既に、教祖をはじめとする幹部の殆どは逮捕され、投獄されている。これらの事件はこの宗教を信仰していない人にとっては事件であっても、信仰している人たちにとっては神が与えた試練となる。これは信仰心を強化する作用がある。

上祐を中心とした新教団は記者会見でスーツを着て着席した。これは世俗化の第一歩だ。もちろん、オウム教団が世俗的でなかったわけではない。現実的に関連会社を経営し、営利活動をしていた。これは世俗の最たるものだったろう。しかし、上祐はスーツを着ることによって、より世俗化を先鋭的に示した。宗教団体という、一般社会と隔絶した異なる社会ではなく、一般社会に新教団は入っていくことを示したのだ。

世俗化は恐らく教団の教えにも影響を与えるだろう。本質的な教えが変わるかどうかは分からないが、より一般に受け入れられやすい表現で教えが表現され、広報されていくだろう。これはキリスト教や日本仏教などでも同じだ。過去に、開祖が主張した「とがった」教えを中興の祖と呼ばれる人や二代目三代目が庶民に受け入れられやすい形に整えなおしたからこそ、これらの宗教は一般に広まった。「聖書」は古い日本語で直訳されているのでわかりにくいが、物語としては非常に受け入れやすい。仏教で頻繁に話される佛話も同じだろう。

上祐にはカリスマがある。カリスマにはいくつかの条件がある。一つにはコミュニケーション能力だ。彼は弁舌巧みで、本質的に人と話をすることが好きで、人好きする人なのだろう。だから、数十人の仲間と新教団を立ち上げることが出来るのだ。更に、彼には一度オウムの犯罪に関わり、投獄されたという暗い過去がある。これは人生に絶望を感じている人たちには魅力的な履歴だ。

考えてみると、この教団は今や世界宗教となっているキリスト教や仏教徒似た歴史を刻んでいる。それを考え合わせると、より警戒しなければいけないと思うのだ。その考え方や影響力に自分が惹きつけられないように、各自で備えるべきだろう。

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