2009年7月11日土曜日

クールが崩れる夏

7月はテレビの番組改編期である。6月末に一斉に番組が終了し、7月から新番組がスタートする。ところが、TBSは8月スタートが目白押し。というのも、4月の番組改編が大失敗に終わったからだ。そのために8月に大幅な見直しが断行される。

TBSの4月改編は「冒険」と言われた。急激に冷え込んだビジネス環境が広告収入を直撃し、テレビ業界は大打撃を蒙った。そこでTBSは一種の賭けとして4月に大改編を行ったが、結果的にはこれが大失敗だった。なぜ、こんな博打をしたのだろう。

ここにテレビ業界に新しいマーケティングモデルが不足しているのだということに気付く。業界横並びで実験的なマーケティングが不足しているのだ。以前は深夜番組が実験場だったが、深夜とプライムでの視聴者のプロファイルがあまりにも違うため、深夜で成功する番組は「深夜だからこそ」成功する番組となってしまった。3ヶ月ごとのスペシャル番組も新番組の番宣を兼ねるため、似たり寄ったりになってしまい面白みに欠けてしまう。

結局視聴率が稼げるタレントベースの番組作りが、どの局も同じという印象を加速している。広告業界にもう一つの打撃をもたらしたGoogleモデルは広告主の効果測定に対する関心を強め、テレビ局は尚更視聴率に敏感になった。

だが、3ヶ月=1クールという図式が崩れたTBSが改編によって勢いを盛り返したら、各局が横並びを捨てて様々な実験に手を染めるかもしれない。それを少し期待している。

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